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ゼロショット学習

ゼロショット学習は、訓練時に全く見たことのない新しいタスクやクラスを推論する能力をAIモデルに付与する機械学習の一手法です。このアプローチは、従来の教師あり学習が持つ、大量のラベル付きデータに依存するという根本的な制約を克服します。

ゼロショット学習の核となるのは、「埋め込み」と呼ばれる共通のセマンティック空間(意味的な空間)を構築することです。

例えば、画像認識タスクの場合、画像とそれに対応するテキストの説明文を同じ埋め込み空間にマッピングします。この空間では、関連する概念(例えば、「猫」の画像と「猫」という単語)が互いに近くに配置されます。

この共通空間があることで、モデルは訓練時に遭遇しなかった新しいクラスのインスタンスを、そのクラスの属性情報やテキスト記述を介して認識できるようになります。

例えば、モデルが「シマウマ」の画像を見たことがなくても、「馬」と「縞模様」という既知の概念の組み合わせから「シマウマ」を推論することが可能です。これは、モデルが訓練データから学習した知識を抽象化し、未知の状況に転移していることを意味します。

ゼロショット学習は、特にデータ収集が困難な希少なクラスや、新しい概念が頻繁に出現するドメインにおいて、その真価を発揮します。これにより、モデルはより柔軟で汎用的な知能を持つことが可能になります。